株式会社アドバンスダイソー
包装から工業用途まで扱う製造企業が外国人エンジニアを受け入れ、言葉の壁を超えた協力体制を確立。生産力と社員のモチベーションが同時に高まっている。
■ 売上
: 1112億円(OSPグループ連結売上)
■ 業種
: シールラベルの印刷用原紙および機能性フィルムの製造・販売
■ 従業員数
: 313名(2024年時点)
■ エンジニア職種
: 機械メンテナンス
■ 外国人採用人数
: 7名
当社はシールラベルの印刷用原紙および機能性フィルムの製造・販売を手がける企業です。従業員数は派遣社員を含め313名で、本社・滋賀工場と栃木事業所の2拠点を展開しています。
本社・滋賀工場には、大型コーティングマシン数十台を保有しており、昼夜問わず食品向けシールパッケージから物流・工業用途まで幅広い製品の製造加工を行っています。
生産労働人口の減少が進み、とりわけ当社のある地域では10年後に10%、20年後には20%も労働人口が減ると予測されています。
こうした背景から、人材不足への対策として外国人を初めて採用することにしました。
これまでは日本人の派遣スタッフが中心でしたが、今後の事業継続と拡大を見据え、海外からの人材にも活躍してもらうことを検討しました。
初めての外国人採用にあたり、最も懸念されていたのは「言葉の壁」でした。言語や文化の違いによるコミュニケーション上の問題が生じるのではないか、また既存の社員がどのように反応・対応するかという点に不安がありました。
実際に外国人社員を採用し各現場に配属した後、当初の懸念は「杞憂に終わった」という印象が強いといいます。入社後の既存社員からの不満の声も聞こえてこず、むしろ彼らの仕事ぶりが業務運営の円滑化に貢献している様子がうかがえました。
また、異文化交流が促進され、新たな視点やアイデアがもたらされるという予想外の効果も見られました。外国人社員との交流を通して、社内に新しい考え方や異なる文化的視点が生まれています。
今回採用したスタッフはエンジニアとしての資格を持ち、技術を伸ばすことに強い意欲があります。
日本語の習得にも熱心で、業務を覚えながら着実に成果を出しています。
専門知識を高めるだけでなく、日本での生活にも積極的に慣れようとしており、将来的にはさらに幅広い分野で活躍できると期待しています。
社内での受け入れについては、懸念していた問題はほとんど発生せず、むしろ肯定的な反応が多かったようです。既存の社員も外国人社員の仕事ぶりを評価し、円滑なコミュニケーションが取れていることが伺えます。
日本語力をさらに高めてリーダーや管理職としても力を発揮してほしいと思っています。本人たちのやる気に応えられるよう、スキルアップやキャリアアップの道を整えるつもりです。
多様な人材が働きやすい環境を整備し、従業員全員の能力を引き出すことで、会社全体の成長につなげたいと考えています。